NYブルックリン美術館で村上隆展

NYブルックリン美術館で村上隆展:「職場での閲覧には不向き」なフィギュアも

2008年4月 8日


『たんたん坊』(村上隆、2001年、キャンバスにアクリル、3600ミリx5400ミリx×67ミリ、Collection of John A. Smith and Victoria Hughes, courtesy Tomio Koyama Gallery, Tokyo, (c)2001 Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.

いつものことだが、村上隆氏が新しい展覧会に向けての作業を終えたのは、4月2日(米国時間)の報道向け内覧会が始まるわずか6時間前のことだった。46歳になるこの日本人ポップアーティストは、アニメやマンガからインスピレーションを受けた絵画や彫刻のほか、流行の先端を行く『ルイ・ヴィトン』のアクセサリーなどで知られる。その村上氏の回顧展が、ニューヨークのブルックリン美術館で4月5日から開かれることになった[会期は7月13日まで]。

(C)MURAKAMI』と題したこの回顧展では、村上氏が16年間のキャリアの中で制作した作品の中から90点あまりが展示される。

今回は、米国で開かれる2度目の回顧展だ(第1回は2007年10月からロサンゼルス現代美術館(MOCA)で開催(日本語版記事))。

ロサンゼルス展と同様に、ブルックリン美術館にもルイ・ヴィトンが出店し、村上氏がこの高級ブランドのために手がけた財布やバッグ、および(村上氏とルイ・ヴィトンのデザイナー、Marc Jacobs氏のコラボレーションによる)モノグラム・キャンバスの品々を販売する。

新しいモノグラム・キャンバスは迷彩柄を取り入れたもので、4月3日夜の回顧展オープニング記念イベントで得た店舗売上の一部を米連邦執行国土安全保障基金に寄付するというルイ・ヴィトンの意向に見合っている。この基金はずいぶんと物々しい名前だが、実際には、法執行関連の職務に携わる人たちの家族に経済的支援を行なう小規模な慈善基金だ。

では、この回顧展に出品される作品を一部ご紹介しよう。なお、職場での閲覧には不向きな写真もあるので注意してほしい(以下の写真クレジットはすべてSonia Zjawinski/Wired.com)。

左の写真:村上氏のトレードマークであるスマイルする花を背景に、村上氏のキャラクター、カイカイとキキの絵が飾られている。

右の写真:ファイバーグラスと樹脂で作られた高さ約4メートルの彫刻で、こちらもおなじみの花をフィーチャーしている。

村上氏は、アニメにインスパイアされたこの『ko2』シリーズで一躍名を馳せた。ファイバーグラスと合成樹脂で作られたこのフィギュアは、高さ約2.7メートル。

『Hiropon』も同じくファイバーグラス製の大型作品だ。この女性像を写真で見るのと、ファイバーグラスの実物を目にするのとでは全く印象が異なる。美しいと感じると同時に不安をかきたてられる作品だ。

この『My Lonesome Cowboy』によって、1998年は村上氏の「体液」の時代として記憶されることになった。

ルイ・ヴィトンの店舗がブルックリン美術館に出現している。

村上氏が特別に制作した壁画が、ブルックリン美術館の階段の吹き抜けを飾っている。

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