2010年4月13日~14日 烏鎮(一泊)
今回の旅行は上海と北京、2大都市以外に、上海近郊の水郷の街“烏鎮”を訪ねました。
事前のリサーチによると、烏鎮は夜のライトアップが美しいとのこと、しかも水路沿いに建物は古いままで内装をリフォームした宿泊施設があるというので、どうしても泊まってみたいと思いました。
しかし上海からは日帰りの観光ツアーしかなく、日本からの団体旅行ならバスをチャーターして行くようですが、個人だと自力で交通機関を乘り継いでいくしかありません。
個人旅行は気ままで自由ですが、観光地をスポットで効率よく廻るにはやはり団体旅行が楽だと思います。自分で切符を買ったり、道を尋ねてうろうろしたり、待ち合わせの時間が無駄になったり。まあ、それもまた旅のおもしろさではありますが。
行きは上海から高速列車とバスを乘り継ぎ(“嘉興”という町で乘り換え)、帰りは烏鎮から上海までの直通バスで帰ってきました。行きは高速列車を利用するのでその分時間的に早いだろうと思ったのですが、結局乘り継ぎの不便(列車の駅とバスターミナルが離れていた)や待ち合わせの時間を入れると、直通バスの方がずっと便利で時間も短くてすみました。帰りの直通バスは、バス自体は決して豪華ではなく乘り心地のいいバスとは言えませんでしたが、日本の東北自動車道なみに空いている高速道路をすいすいと走り、のどかな風景を車窓に一直線にたどり着きました。ただし一日に4便(烏鎮から上海の場合)しかないので、時間をきちんと確認する必要があります。
<参考>上海から烏鎮への交通案内(中国語)
↓上海から嘉興へ。高速列車“和諧号”からの風景です。菜の花が満開で、目に鮮やかでした。
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さて、“烏鎮”には、東柵地区と西柵地区とふたつの地区があります。それぞれ地区の真ん中に大きな水路が一本流れ、両側に古い町並みが並びます。東柵は古くから観光地として開発され、住民が喫茶店やレストラン、土産物屋などを営んでいます。西柵は3,4年ほど前に地区まるごと地方政府が買い上げ、町並みを修復・保存し、住民はすべて近くに新しく建てられたアパートに引越しました。建物の中は記念館や食堂、喫茶店、土産物屋などになっていて、それから多くが民宿としてリフォームされています。民宿(内装が宿泊施設にリフォームされた民家内の部屋)は、地区内に70ほどあり、各民宿5,6部屋ほどで、管理人が常駐しています。管理人は房東(大家)と呼ばれ、地区外のアパートに自分の住居を持っていますが、民宿にも部屋を持っていて宿泊客がいるときは泊り込みで勤めます。小さな厨房で朝ごはんも作ります。
西柵はまるでテーマパークのようで味気ないとか、作られた街でおもしろくないとかいう感想をネットで少なからず目にしました。でも、私はこの場所を大変気に入りました。日帰りの観光客は主に東柵を訪れるようで、西柵では、昼間は人も少なく静かでのんびりした空気が流れていました。働いている人たちは多くは政府に雇われているので、商売っ気があまりなく、楽しげです。昔のお祭りを模したようなイベントが時々街のあちこちで行われるのですが、主に中高年の人たちがのんびりと、かつ生き生きとそれぞれの役割を演じていました。胸にガイドの札をぶらさげた若い人たちは烏鎮出身の若者で、案内役として団体の旅行者たちを先導していました。
私個人の感想ですが、これはとても賢い村おこしの方法だと思います。雇用の場所ができるし、二つの地区の入場料だけでも結構な収益でしょう。
ゆったりとした水の流れを眺めつつ、ゆったりとした時間の流れに浸る、心休まる一日でした。ぜひもう一度訪れたい場所です。
帰ってきてから知り合いの日本人のツアコンに烏鎮がとてもよかったと話すと、彼は西柵内の“通安客桟”というホテルに2度ほど泊まったことがあるそうですが、「住民がいないっていうのがどうもね、生活の匂いがない。何もないし、つまらなかった、あれだけじゃ客を呼べないと思う。」と厳しい評価でした。
私自身は、静かで落ち着いた風景を眺めながらボーっとお茶でも飲んでるだけで、幸せでしたが。
<参考>http://www.youtube.com/watch?v=qS3U9A4SXhA烏鎮西柵の様子がわかるビデオです。