宇宙飛行士 秋山豊寛さん

盈盈一水间,脉脉不得语。涓涓细流过,静静万物洗。
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 第一部 インタビュー

  ■2 宇宙飛行士 秋山豊寛さん

社会変える「個」の意識

   「地域社会を変えていくのは結局、個人の思いなんですよね。歴史だって個人史の集合体でしょ。自分は何を求めるのか、どんな暮らしがしたいのか。それを北極星のように目標として置いて、いろいろ仱暝饯à皮い?筏?胜ぁK?缺趣伽七Wれてるとか、進んでるとか、輪切りで考えるんじゃなしにね。何を始めるにしたって、最初は一人から。そういう『個人主義』が、住んでいる人たちの中に確立しないと」

 日本人初の宇宙飛行士は五年前、勤めていたテレビ局を辞め、「農のある暮らし」を始めた。阿武隈山地のふもと、福島県・滝根町。人口五千六百人。兼業農家が大半を占める、典型的な日本の農村。山の中腹にある農場で、有機米や野菜を自給する。

 「日本の農村って消費財とか情報量とか、表面的には新しくなっても、地域の邌婴胜螭?稀ⅳ工搐す扭い猡韦?肖盲皮蓼工瑜汀<窑趣いω敭bの下に異質なものを排除するというね。自然環境に対する意識も残念ながら低い。東京で長く暮らしてた感覚じゃ、(特派員として赴任した)ワシントンやロンドンの方が違和感がない。というのは、『個』がそれなりに確立してるからなんですね。『個』を大切にする都市住民が入っていくことで、農村が変わるケースって結構あるんじゃないかと思う」

 農場を都市住民との交流の場にしたい。単なるレクリエーションではなく、「暮らしの場」として農村を見直すこと。いま、それが必要だという。

 「都市と農村は、それぞれに守るべきもの、仱暝饯à胜?悚い堡胜い猡韦蛘?恧工毪郡幛恕ⅳ?イい?Rの役割を果たすと思う。都市の側から言えば、いまの五十代以上の人は、高度成長以前の日本の姿に触れていて、近代化がもたらしたひずみや、自然との和みを感じられる世代。彼らがもともと持っていた感性を回復し、『本当の豊かさって何だったんだ』『おれたちはもっと別の近代を求めたはずだ』と考える場所に農村がなれば。都市の暮らしは、いろんな意味でストレスの多い不健康な環境になっている。次の世代へ、本当はこんな形もあったんだよ、と伝えていく意味でも重要だよね」

 中央集権に代表される「日本的システム」の弊害は、地方にこそ現れているという。それを変えるカギは―。話はやはり「個」の問題に行き着いた。

 「首都機能移転なんていって騒いでるのは、この福島県だけど、そんなものをありがたがること自体、中央コンプレックスだよね。目立たなくたって暮らしやすい町ってあるはずですよ。例えば、介護保険の充実度で、地方の聞いたこともないような町がトップになったりする。それは、ホームヘルパーの資格を取った人が圧倒的に多いとか、中心となる熱心な医者がいるとか、個人が自治体を動かしたのかもしれないよね。どんな所に暮らしたいのか。それが出発点。その思いを地域に広げて、十年、二十年のスパンでイメージを作らなきゃ」 


環境問題は地球規模で

 宇宙での光景。すべてを溶かすような闇の中に、青く輝く地球を見た。瞬間、「自分がその一部である星が病んでいるのに、手をこまねいていられない」と感じた。長生きして、文明が、地球が、どうなるのか見ていたい。地球規模で環境問題を考える。その思いが、東京生まれの東京育ちの男に、移住を選ばせた。

 「ここに移り住んだ理由は単純。いい空気といい水でいい食い物を作る。便利さとか、他のこととのバランスを考えれば条件は良くないけど、少なくとも動物である自分を支える基本を守ろうってことです。それぞれの地域で自分たちの住んでる所を良くしようというのも素晴らしい。でもぼくはとりあえず一人でもやろうじゃないかって、“疎開”したわけ」

 「あぶくま農業者大学校」を三年前に発足した。有機農業の知識・情報を交換するネットワーク。地縁ではなく、農への「志」でつながる。

 「二十世紀が『平和』を求める時代だったとすれば、二十一世紀は人間だけじゃなく生態系を含めた『地球意識』の時代。地域づくりだって、その価値観に基づいてなければ、多くの共感は得られないと思う」

 「減反とか、国の政策の問題もいろいろあるけど、結局、米なり野菜なりを作る人の意識なんですよ。本気でやる人は、国とかなんとか関係なく個人でやるよね。農作業は辛い部分もあるけど、それだけじゃない。仕事場であり、生活の場である田んぼを見直せば、自分にとって大切なものは何か見えてくると思う。ぼくらは時間と引き換えに給料を受け取るというだけじゃなく、生きがいややりがいってのがあるから、仕事ができるわけでしょ。本当の豊かさっていうのは、金を稼ぐことだけじゃない、『時間の王様』になることだと思うよ」

 「個」の大切さを繰り返し説く。地域づくりも同じ。それぞれが足元を見つめることから始まる。

 「街のあり方というのは、一人ひとりの人間に人生があるのと同じぐらい、それぞれに事情があると思う。過疎にしても、商店街の衰退にしても、起こってる問題は、個人の意識と結び付いてるから、方程式作って答えを見つけようたって難しいよ。時代の影響とか産業構造の変化とか、一般論化できる部分と、そうでない部分をていねいに洗い出す作業を、それぞれの地域で真剣に取り組む人がまずやり出すことじゃあないかな」

 

 あきやま・とよひろ 東京放送で、ワシントン支局長、国際ニュースセンター長などを歴任。90年、ソ連の宇宙船ソユーズに仱辍ⅰ坝钪嫣嘏蓡T”として、地球の映像を撮影・生中継した。95年に退社、有機農業の傍ら、執筆と講演活動も手がける。58歳。

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