井底之蛙:
又到了年底。这一年里面,汽车总连,工程师转职研究会等很多地方都邀请我去讲演,在那里宣讲对于汽车工业的信念时,有一点我是在开头一定会讲的。
那就是“日本汽车工业的低劳动生产率” 。这样一说,从听众中反馈的有惊讶,有时则明显地表示出愤怒。
日本汽车工业的劳动生产率是世界最高的,这一点从哈佛研究报告及各种指标里得到了证明,由此全世界的汽车工业都以TPS(丰田生产方式) 为追赶的目标,同时日本的银行,邮局等一起导入TPS并且获得了成果。这些都被称做是事实。
确实如此。但是所谓日本汽车工业的高劳动生产率是和国外的汽车工业比较,或者是和日本的很多服务业相比较而言,有数据表明,如果与日本的其他制造业相比的话,汽车工业的劳动生产率本身以及劳动生产率的提高率都很表现平平。
根据财团法人社会经济生产性本部所作的“劳动生产率的产业间比较” ,在所有23个产业里劳动者的人均附加价值(劳动生产率) 最高的是石油制品业,人均附加价值达到了2。3亿日元。第二位房地产业7,000万日元;第三位电力煤气3,000万日元,接着分别是化工,金融保险,钢铁和非铁金属制造,而以汽车为代表的运输机械产业排在第七,金额为1,200万日元,只有首位的石油制品业业的18分之1。
另外,一桥大学经济研究所发表的“日本的劳动生产率和经济成长” 将日本的制造业分为30种,除去人,物,财的经营资源的投入量的增减后对真正的劳动生产率增加率(TFP成长率) 在1994年至2001年间进行了追踪。
根据调查,7年累计劳动生产率向上率超过10%的只有通信机械,医药品,事务用机械三家,超过5%的也只能加上电子零部件,金属加工机械,汽车以外的运输机械三家。同时,我们的汽车产业在这七年里劳动生产率的增加率只有2。2%,排在毫不起眼的第十三位。再进一步只就技术进步率(革新) 来看,七年的平均值为负数(也就是说技术在退化) ,这个结论是令人震惊的。
有理由认为这个结果和实际的感受不一致。正如刚才所说,这里的劳动生产率增加不包含因雇佣人员及劳动时间的增大,设备能力的象上而导致的增加。也就是说,汽车工业到现在为止主要通过提供大量的就业,进行大规模的设备投资来提高产出。就业和设备投资本身促进了经济的成长所以绝对不是坏事,汽车工业通过摘下这些果子增加了竞争力和收益。这些成绩都非常优秀,社会上一般也从这里面得出了对汽车工业的正面印象。
但是,随着出生率降低和人口老龄化的到来,劳动人口将会减少。汽车产业继续获得优秀人才本身变得不可能;而且人口的绝对数量的减少导致经济规模的缩小,经济基础变小后的社会也将难于支撑无限的设备投资。
因此,不依存人力资源和设备投资的,实质劳动生产率的增长即革新对于汽车产业的持续发展不可或缺。这就是我们提倡的观点。
有一个解决如何提高实质劳动生产率的提示。根据一桥大学经济研究所的调查,劳动生产率增长率较高的产业有个共同的要素,即“通过新陈代谢效果提高劳动生产率” 。
所谓“新陈代谢效果” 指的是通过高劳动生产率的新企业的加入和低劳动生产率企业的撤退达到提高产业的整体劳动生产率水平。比方说劳动生产率增长率最大的通信机械业,其增长率的37%来源于新陈代谢。医药品产业稍低一些为8% ,办公机械为35%,电子机械为17%,金属机械为19%。 新陈代谢效果推动了劳动生产率的整体增长。
与此相比,在汽车产业里新陈代谢的效果为0。来自其他行业的加入和汽车企业的撤退都不存在。这种汽车产业的“井底之蛙” 现象非常有可能正成为提高劳动生产率的瓶颈。
为了汽车产业的持续发展,如果想要提高实质上的劳动生产率水平就必须摆脱这种井底之蛙的体制,通过行业间交流促进技术的进步。这也是我的论点的本意(请理解绝对不是嘲笑或轻蔑汽车行业的低劳动生产率)
井外之蛙
「井の中の蛙」は生産性向上の障害だと述べた。では、「井の外の蛙」はど
うか。そこで引合に出したいのが米国の DMS (ディーラー・マネジメント・シ
ステム)ソフトウェア会社の Reynolds & Reynolds (以下レイノルズ)であ
る。DMS の何たるかについては、今年 3月本誌でマイクロソフトを取り上げる
中で詳しく触れたのでそちら(下記 URL)を参照いただきたい。
http://www.sc-abeam.com/mailmagazine/kato/kato0056.html
レイノルズは年間 20 億ドル(2 千億円前後)と推計される米 DMS 市場を
ADP と二分する寡占企業であるが、2002年に IBM 出身の Buzz Waterhouse 前
CEO のもとで大きな冒険を行なった。マイクロソフトと提携し、Windows ベー
スで顧客中心にデータベースを統合して他のアドオンソフトを不要とする新製
品「Generation Service Suite」を開発したのをきっかけに、これを戦略商品
としてメガディーラー化の進む米ディーラー市場を一気に単独支配化に置くと
いう戦略に乗り出したのである。
これは最大の競合相手である ADP が GM 系のシステム会社 EDS を買収して、
サターン系列向けの内製 DMS 市場を取り込むなど、ブランド特化型・オペレー
ション志向に乗り出したのに対向する形で、逆にブランド特性や現場の勘と経
験に囚われない経営者と顧客に優しいシステムに舵を切り替えることで独自化
を目指したものと考えることができる。
ところが、結果的にレイノルズの新商品は 2003年の発売以来、73 の店舗を
有する 38 のディーラーグループに納入されたのみで一向に導入事例が拡がら
なかった。2004年半ばには Waterhouse 前 CEO が退任し、2005年 1月には米国
三菱自動車から O'Neil 新 CEO を迎えると、「Generations Suite」の撤退・
廃棄と、既納先 38 社に対して同社の別の DMS への切り換えを勧める方針に大
転換を行なうこととなった。
廃却のためのコストは 67 百万ドル(70 億円前後)で、既納先への対応や
Generations の開発に携わったエンジニアの解雇に伴ってさらに 27 百万ドル
(30 億円前後)を要すると、Automotive News は報じている。
同誌の記事によると、Generations Suite が多くのディーラーに受け入れら
れなかった原因は、導入コストやトレーニングコストの高さに加えて、ディー
ラーの業務プロセスを抜本的に変更しなければならない点にあったという。
もともとレイノルズが目指したものが旧態依然とした、オペレータ(売り手)
側の論理に基づく業務プロセスの革新にあったわけだから、当然予測された反
応ではある。
とりわけ「ディーラーというものは一般に Early Adopter (新しいものを最
初に採用する集団)ではなく、技術が落ち着くのを待って一斉飛びつくような
特性を持った集団」だと、Generations Suite を採用したディーラーが同誌に
コメントしているくらいで、最初から大きなチャレンジではあった。
そのこと自体を責めるべきではない。挑戦こそが進歩の源であり、挑戦して
失敗することは挑戦しないで終わることよりも遥かに進歩的で教訓を与えてく
れる。一定のポジションを築いた大企業が挑戦を放棄することに比べればレイ
ノルズは偉大な会社である。
問題は、業務プロセス革新の先導者であったレイノルズのエンジニアたちが
全員自動車小売の経験を持たなかったことであろうと思う。つまり、同じゴー
ルを目指すにしても、またそのゴールがいかに崇高なものだったとしても、そ
こには現実的なアプローチ、採用可能なプロセスをいくつか容易しておくべき
だったと悔やまれるが、「井の外の蛙」であるレイノルズの IT ガイたちには
考えが及ばなかったか、及んだけれども取るに足りないものと判断してしまっ
たかのどちらかであろう。
既納先の DMS 切り替えにあたって、「移行をスムーズかつ追加コスト・ペナ
ルティのないものにしていかなければならない」と O'Neil 氏は同誌に語って
いるが、この言葉は保守的な自動車業界全般に対してイノベーションを働きか
けようとする全ての関係者が念頭に置いておくべき深遠な話だと思う。
【井の内外の境界を取り払う】
目の前の現実だけにしか目を向けない「井の中の蛙」になっても、現実を無
視した「井の外の蛙」になってもいけない。
井の内外の境界を取り払うことが重要である。そのためには、自ら井の内外
を行き来すること、内部に外部の人間を招き入れて内部の課題に取り組ませる
こと、内部の人間が外部の課題にチャレンジすること、井の内外の人間が一緒
に仕事をする環境を作ること、等がその解決策になろう。
その意味で面白い試みを Automotive News が報じている。日産デザイン・ア
メリカ(NDA)、BMW 系の Designworks など自動車メーカー系のデザイン・ハ
ウスの面白い試みを報じている。
NDA では、デザイナーが NDA の設備と時間を使って自動車デザイン以外の仕
事を行なうことを奨励しており、そこで得た収入は職場環境の改善に使うこと
まで認めている。
彼らの作品には、2000年~ 2004年まで作られたテイラーメイドの人気ドライ
バー「バブル・バーナー」や、RDI コープの PC、エンジェルズ・グループの子
供用家具、エアストリームのキャンピング・トレーラー「BaseCamp」等がある。
日産が期待している成果は従業員の職場環境の改善や余剰工数の有効活用で
はない。Automotive News 誌で元マツダのトム俣野氏が語っているように「異
なる素材やプロセスで仕事をすることがデザイナーに新たなフォーカスを与え
」、「自分の普段のやり方の外側に歩み出る機会を得て、再び本業に戻ったと
きに次の自動車プロジェクトにおいてより新鮮な見方ができるようになる」こ
とが目的であり、「デザイナーが自らのスコープ・オブ・ワークの外側でもの
を考えるようになることはこの分野では不可欠である」という考え方に立つも
のだ。
つまり、デザイナーに井の外の課題にチャレンジさせることで内外の境界を
取り払い、本業の競争力の強化に向かわせるという明確な戦略がある。(同時
に従業員にキャリア・パスやモチベーションを提供して、優秀な人材を引き付
け、引き留めるという人事的な目的もあると思われるが。)
実際に NDA はゴルフ・クラブの仕事で得たグリップの感触をフェアレディ
Z のステアリングやシフト・ノブに応用したという。子供用家具の経験がカー
ゴ・スペースに活きているともいう。BMW 系 Designworks でも携帯電話デザイ
ンの経験をボタン・スイッチ等の HMI (ヒューマン・マシン・インターフェイ
ス)に応用したという。
業界内で専門性を追求すればするほど井の中の蛙に陥りがちで、また業界か
らあまりに遠いところからアプローチすると実効性のない井の外の蛙で終りが
ちである。私ども業界特化型コンサルティング会社の活躍領域は正にその接点
での橋渡しにあり、これまでも業界外の知恵や技を導入して事業・製品・技術・
サービスの幅や奥行きを拡げたいという自動車業界各社の要望や、自動車業界
にイノベーションを持ち込みたいという素材メーカー、システム開発会社や投
資ファンド、ベンチャー企業の期待に応えてきた。
だが、我田引水をするつもりはない。井の内外の境界を越えるためのアプロー
チは自前でも可能で多様である。その必要性を認識することが第一歩である。
井の内外の境界を取り払ってイノベーションを持続的に実現し、スムーズか
つ追加コスト・ペナルティのない形で人口減少時代への移行を進めたい。
<加藤 真一>
<加藤執筆記事バックナンバー>
http://www.sc-abeam.com/mailmagazine/kato.html