取り残された悲しみ

 

取り残された悲しみが

ひたひたと押し寄せる

誓う言葉の虚しさと

誓った心の真実の狭間で

すがることも

あきらめることも

できず

白痴の如く立ち止まる

二つの体は ひとつに為らず

一つの心は ふたつに裂きがたく

生まれながらの孤独に

今更のように足踏みする

取り残された悲しみが

ジェルのように皮膚を覆い

やがて体温と混じり合い

温もりを発する日まで

取り残された悲しみの

冷たさが

胸に滲みる

 

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