死刑判決の15%が証拠不十分などで差し戻し…中国最高裁


 【北京=加藤隆則】10日の新華社電によると、中国の最高人民法院(最高裁)が昨年1年間に審査した下級審の死刑判決事件で、証拠不十分、量刑不当などの理由で差し戻されたケースは約15%に上った。

 死刑件数は国家機密で具体的な数字は明かされていないが、関連統計の公表は異例。

 冤罪防止のため昨年以降、死刑判決の審査権が高級人民法院(高裁)から最高人民法院に委譲された成果をアピールする狙いがある。その一方で、地方での審理が依然として“恣意(しい)的に”行われていることも物語っている。

 同電はまた、昨年、無期刑に減刑される猶予付きの死刑判決数が、通常の死刑判決数を上回ったと指摘。「死刑を慎重にし、減らす政策が着実に実行されている」としている。だが、「猶予付き」は汚職事件に適用されることが多く、「官」優遇の司法批判につながっているのも事実だ。

 人権擁護団体「アムネスティ・インターナショナル」(本部・ロンドン)によると、2006年、中国での死刑執行数は少なくとも世界全体の約3分の2を占める1010人。情報開示が不十分で、実際は、8000人に上る可能性があるという。

(2008年3月11日11時11分 読売新聞)
登录后才可评论.