らせん階段


 

らせんを上る

てっぺんに何が待つのか
知らぬままに

見上げれば
らせんの先は
雲の中に消え
振り返れば
地上は既に
ぼんやりと霞む

行く道の危うさと
来た道の頼りなさと

進む不安と
戻れぬ苦しみと

それでも

昇る日に勇気づけられ
さえずる小鳥に励まされ
夕焼けに過去を思い
星空に心を静めながら
上り続ける 

見上げなければいい
振り返らなければいい
足元だけを見つめて
一歩一歩上ればいい

けれど

わたしは時折思う
らせんの先のことを
地上のことを
途中で飛び立った
天使たちのことを

 

 

 


  

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