仕事に行き詰まったらコーヒーを買いに行こう

気分転換の方法は人それぞれ。
だが、押さえておきたいポイントはある。
それは環境を変えることだ。

CyberAgent Susumu Fujita
藤田 晋

会社で仕事をしていると、飽きたり行き詰まったりする時が出てきます。特に単調になりがちなデスクワークの場合、その傾向が強くなります。仕事で行き詰まることが多くなると、最悪の場合、精神的に病んでしまうことにもなりかねません。仕事を効率的に進めるため、自分の心を守るためにも、適度な気分転換が必要となります。

 私は経営者になって気分転換の大切さを再認識しました。会社を立ち上げた当初は、営業をしていて外出が多く、それ自体が気分転換になっていました。ですが、社長業が中心になると面会の場所も社内になりがちで、社長室に次から次へと人が押し寄せてくる日が多くなりました。一日中オフィスにこもりきりの日は、息が詰まって逃げ出したくなることもあります。短い時間でどうやって気分転換をしたらいいか。単調になりがちな仕事にどうやってメリハリをつけたらいいか。経営者になってからは、それを真剣に考えるようになりました。

 仕事中の気分転換ですぐに思いつくのはたばこではないでしょうか。「たばこを吸うために外に出て、雑談をして帰ってくる」。これは、①机を離れるために環境が変わる、②喫煙者同士で雑談する機会がある、③たばこを吸うという明確な目的がある、という3点から気分転換の方法としては最適です。ですが、私はたばこを吸いません。そこで、代わりにコーヒーを買いに外に出る方法で気分を変えています。

 先ほど挙げた3点で最も大事なのは、①の環境を変えること。つまり、普段の仕事場から一時的に離れることが重要です。職場でコーヒーを飲むより、外に買いに出かける方がいいでしょう。何かしらの理由をつけて外に出ることがポイントです。

 当社は、喫煙者以外でも利用できるリフレッシュルームを設けていますが、実はリフレッシュ目的ではあまり使われていません。喫煙ルームのように、そこに行く明確な目的がないためでしょう。カフェにコーヒーを買いに行くのは、たばこを吸いに行くのと同じように、明確な目的があって、さらに環境が変わる点でお勧めの方法です。飲み物なら何でもいいですし、雑誌を探しにコンビニに行ってもいいと思います。

 環境を変えるという意味で、打ち合わせを社内の会議室ではなく、外のカフェでやってもいいでしょう。企画会議などは、夜にお酒を飲みながらやってもいいと思います。当社は、泊まりがけの合宿をすることが多々ありますが、合宿をする理由は、強制的に環境を変え、社員の気分をリフレッシュすることにあります。

席を離れずに気分転換をする方法では、大好きなお菓子を食べたり、家族やペットの写真といったお気に入りのものをデスクに置いたりする方法が一般的です。中でも私がお勧めするのは、ガムを噛むことです。味や香りでリフレッシュできるだけでなく、集中力が高まる効果もあります。あごを動かすので眠気が覚めるほか、口臭予防にもなります。

 ガムを噛む時に注意したいのは、くちゃくちゃと大きな音を立てないこと。周囲を不快にさせてしまいます。眠気を覚ます気分転換として、職場でも定期的に顔を洗ったり、歯を磨く人もいます。私の場合は、あえて“まずい”コーヒーを飲みます。自分が苦手な味だと目が覚めるからです。

 アイデアで行き詰まったら、社内をうろうろするのもいいでしょう。話をする機会の少ない他部署の人と話すと気分が変わります。違った視点のアドバイスをもらえることもあります。私も社内をよくうろつきますが、それだけでかなりリフレッシュできます。

 部署単位で行う気分転換では、席替えがあります。定期的に席替えをすると職場の雰囲気が変わります。横や向かいに座っている人が変わるだけで十分効果があります。白くて殺風景なオフィスの場合は、植木や花を置いて緑を増やすのがお勧めです。

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