外は大雨と大風。
子どもの頃は夜、布団の中で、ざーざーという雨の音や、ぴゅーぴゅーいう風の音を聞くと、なんだかわくわくした。いつもと様子が違って、嵐の夜に船出して、これから大冒険に出かけるような気持ちになった。家の窓ががたがたいう音まで私を応援しているようだった。雨よ、もっと降れ、風よ、もっと吹けと思った。
今は、怖い。目をつぶると、寝ている窓のすぐ横の、古いベランダが吹き飛んでしまわないかと気が気でない。私の家がつぶれてしまわないかと、不安になる。
ああ、どうか無事にいつもと同じ朝を迎えられますように。
庭の紫陽花