さて、最近話題の尖閣諸島問題について、ずっともやもやっとしたものが心の中に渦巻いていて、どうにも考えがまとまらなかった。
奇妙な感じ。世の中が急速に嫌中、反中に傾き、世論が短期間に一気に固まっていく。
基本的に中国びいきである私自身の感情さえ、その渦に巻き込まれ、何か大きな力に引っ張られて一定の方向へ無理やり連れていかれるような奇妙な感覚。私の感情を引っ張っていくその得体の知れない大きな力の正体がいったい何なのか把握できないもどかしさ。いろんな解説や評論を聞いても、ちっとも霧が晴れない。
ところが、今朝の地方紙の一面に、「防衛省、無人偵察機導入へ、米国製3機、中国や北朝鮮想定」の見出しを見た途端、一気に霧が晴れ視界が開けた。
午後、たまたま会った知り合いに聞いてみた。
「尖閣諸島の件、もしかして、アメリカの飛行機を買うためだったんじゃない?」
「それもあるだろうけど、もっと核心は沖縄の米軍基地だよ。これでもう県外移転の話はなくなるでしょ。(沖縄に基地が存在することに対して)世論は反対しなくなる。」
そうだとすると、昨日見た前原さんのあの自信満々の態度と “想定の範囲内”という言葉が実に腑に落ちる。
そうだとすると、中国の外交的勝利だとか、日本は中国の強硬姿勢に屈服したとかいう評価は180度変わる。
そうだとすると、まんまと乘せられたのは、中国の方ではないか?