知り合いの30代の男性が、日本政府は本当のことを隠している、と憤っていた。
ネットで、田原総一郎とソフトバンクの孫社長の対談を見たそうだ。私はその対談の映像を見ていないので、なんとも言えないのだけれど、知り合いの言うには、
「日本はデータを全部公表してないし、起きていることを明らかにしていない。隠してる。これじゃあ、中国や北朝鮮とまるっきりおんなじだよ。」
と、ひどく怒っていた。
私は、うんうん、と聞いていたけれど、後から夫に、
「…って、○○くんが言ってたけど、庶民がすべてのことを知ったからって、何もできないんだし、知らない方がいいのかも。」
と話すと、
「はは、それってまさに中国共産党のお偉いさんたちの考え方だよ。だめだよ。そんな考え方しちゃ。」
と冗談半分にたしなめられてしまった。
「でもさ、庶民の立場から言ったってさ、自分にはどうしようもないし、本当のことを知ったって不安になるだけなんだから、それより何も知らずにせめて精神的安定を保った方がいいんじゃないの。」
まあ、隠しながらなんとか力ずくで事を解決してくれるならまだいいけれど、解決する能力がないということ自体を隠そうとしているのだとすると、それは本当に恐ろしいことなのだけれど。