「1990年代の改革・開放以降、中国の消費者は製品を選ぶ際に品質だけでなく、アフターサービスを重視するようになった。日系企業が品質の良さだけを武器に中国市場で生き残ることはできない」と語るのは、中国国内でSI事業を展開する日電系統集成中国(NECSI)の大内山正夫・SI事業本部統括部長。
大内山氏は中国企業のアフターサービス体制について、「家電最大手のハイアール(海爾)をはじめとする各社は全国各地に販売店を置き、サポート体制を整えている。併せて電話やWebサイト、電子メールなどを活用し、24時間体制で消費者からの問い合わせや注文に応じている」と指摘。一方で日系企業は「優秀な技術や生産管理の厳格さで差別化を図ろうとしているが、販売拠点の設置や合弁企業の出資比率といった点で中国政府から規制を受けていることもあり、十分なサービス体制が取れていない」と手厳しい。
しかし、「中国がWTOに加盟したことで、今後は外資系企業に対するアフターサービス関連の規制緩和が進む。日系企業も製品そのものの競争力向上に加え、サポート体制の充実により中国企業との競争を勝ち抜くことが求められる」と、中国市場におけるアフターサービスの重要性を訴えた。
同社は沖電気工業、北京の通信ベンチャーである太公網科技発展と共同で、中国国内の日系企業に対しCRMシステムの販売、サポート業務を展開している。沖電気が2003年4月にCTIソフト「CTstage 4i」中国語版を発売したことに伴い、中国国内でもコールセンターと連動したCRMシステムの拡販を図る考えだ。