頭がひとつ、
積もった落ち葉の中で虫たちも 眠りにつく
やがて 雪が降ってきて
白い帽子をかぶった頭は
少し揺れてみたくなった
ごとごとごとりごとり
ごろりんごろりん
とうとう転がりだした
頭は ころころ転がって
雪がくっつき どんどん大きくなった
頭は巨大な雪玉と化し どこまでも転がっていった
手も足も胴もない肥大化した頭が 雪の坂道を転がっていく
ポチャリ
池に落っこちた
薄氷を割り 雪玉は崩れ 頭は水底へ降りていく 深く 深く 光の届かぬ水底へ
地上には頭の残した軌跡が一筋 やがてその軌跡も 降り続く雪に埋もれていった