中国による日本国債の保有にまつわる5つのリスク
日本国債への投資は欧米の国債と比べてリスクが小さく、日本国債の安全性も欧米の国債を上回っているが、中国による日本国債買越には多くのリスクもある。中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。
リスク1 国債バブルの崩壊
景気を刺激するため、日本政府は近年、大量の国債を発行し、多くの負債を抱えている。資料によると、2010年の日本の債務残高の対GDP比は229%に達する見通しで、ギリシャの120%を超え、国際的に安全とされているライン60%を大きく上回る。世界では日本が欧州に続き債務危機に陥ると予想されており、さらには日本が国家破たんのリスクに面していると予測する人もいる。火薬庫のような日本国債が一度弾けたら、中国が代価を支払うことになるのは火を見るより明らかである。
リスク2 債務を返済するための十分な税収がない
日本政府が財政収入を増やし債務返済能力を高めるのであれば、それがもっとも良い選択であるに違いない。しかしその可能性は非常に低い。日本の2010年の税収予想は37兆4000億円で国債発行額を下回り、初めて借金が税収を超える。日本が税収に頼って短期国債を返済するという望みはすでになく、新たに債券を発行し返済するしかない。
リスク3 為替リスク
日本国債の基本状況から見ると、ある程度の投資利益は見込めるが、政策面、特に日本の輸出政策により日本国債への投資リスクは高まる。典型的な内部資源と市場が制約されている国として、輸出の奨励は日本政府の長期的な選択肢で、これにより日本は円を切り下げる必要があり、少なくとも切り上げることはできない。また、このような戦略や政策方針は日本国債への投資における為替リスクを高めることになる。国債の本当のリスクは為替によるもので、国債の利回りではない。中国はこれを防がないわけにはいかない。
リスク4 塩漬け状態
日本円の資産は米ドル、ユーロと本質的に異なり、その流動性は米ドル、ユーロより大きく劣る。過去の経験からして、いったん塩漬け状態になると、新たな投資主体が現れる可能性は少なく、最終的に塩漬け解消は過分な望みとなる。これも外国人や国外機関投資家が保有する日本国債の比率が非常に低いことの理由だ。
リスク5 信用格付けが低下
日本の膨らみ続ける債務とリスクを受け、スタンダード&プアーズは今年1月に日本国債の長期信用格付けであるAAのアウトルックを安定的からネガティブに変更した。対GDP比9.7%の財政赤字が抑制、削減できなければ、信用格付けはさらに下がることになる。当然、最終的に損失を被るのは日本国債の保有者であることは間違いない。(編集担当:米原裕子)