从“四川大地震”这一称谓到“四川·西藏大地震”,再到“四川汶川大地震”......试问EX SANKEI EXPRESS(日语)

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「四川大地震」という表記から「四川・チベット大地震」へ、そして「四川汶川大地震」へ・・・
 ――EX SANKEI EXPRESSにお聞きしたい


今朝、手に入れたEX SANKEI EXPRESS(以降はEXと略称)には読者へ次のようなメッセージがありました。

「読者のみなさまへ 
EXは今回の地震が、チベット族の多い四川省で起きたことから「四川・チベット大地震」と表記してきましたが、今後は、震源地の地名を重視して「四川汶川大地震」と表記します。中国政府は「四川汶川地震」と正式呼称とし、中国メディアもほぼ同じ呼称を使っています。日本でも、1995年1月17日の淡路島北部を震源にした地震の際、当初は「阪神大震災」と表記し、後は震源地の「淡路」を加えて「阪神淡路大震災」とした経緯がありました。」
 
このメッセージを読んだら、一読者として、EXがやっと自ら独創した「四川・チベット大地震」を「四川汶川大地震」に変更し、一歩前進したなあと評価したい一方、5月16日付の表紙で「四川大地震」を「四川・チベット大地震」に勝手に改竄した経緯について、なぜ情理にかなう解釈をしないのか、誤りを正直に認める勇気をまったく見せてくれなかったでしょうか。

ここで、5月16日付EXの読者へのメッセージを読み返したいです。

「読者の皆様へ  EXはこれまで、「四川大地震」と表記してきましたが、今後は「四川・チベット大地震」とします。震源地の汶川県がある「四川省アバ・チベット族チャン族自治州」という州の名前からもわかるように、四川省には多くのチベット族が住んでいます。先のチベット騒乱では、チベット自治区の東側に位置する四川省にも影響が及びました。四川省のチベット族にとって、今回の大地震は騒乱に続く悲劇なのです。」

5月16日に「四川・チベット大地震」という文字を目にした時、非常に怒りを感じました。世界中のメディアが中国での呼称に従い、「四川大地震」と呼称しているのに、なぜはEXが敢えて表記してきた「四川大地震」を「四川・チベット大地震」に改竄するのか、読者を馬鹿にしてるのではないかと思いました。

産業経済新聞は読売新聞、朝日新聞、日本経済新聞のような売れる新聞ではないことは、よくご存知だと思います。売れない局面を打開させるために、「EX SANKEI EXPRESS」が創刊されたわけです。最初、EXを読んだ時、全頁カラー刷りのタブロイド紙で、今までの新聞と違う形で勝負したいだろうと察し、期待していました。然し、5月16日付の改竄を見て、このままでは有識な読者に愛読される新聞紙になれるかと非常に疑問を持ちました。

まず、EXはどういう認識で「・」を使っているのかとお聞きしたかったです。「・」は一般的には「と」又は「及び」と理解されていると思います。震源地は「四川省」にあることは明白なのに、なぜチベットを付け加えたのでしょうか。チベット族が震源地に住んでいるからという牽強付会な解釈に説得力があると思いますか。チベット族に目を向けるなら、人道的立場から同じ震災に遭われたチャン族また漢族などの人々も忘れてはならないでしょう。もしEXは「・」という句点には「と」又は「及び」という意味がないと認識するなら、チベットは四川省の一部という意味でしょうか。「四川」、「チベット」、「チベット族」その三つの語彙の属性は同じと思いますか。「四川・チベット大地震」というユニークな造語に含まれるEXの主張は一体何でしょうか。地震は四川とチベット両地域で起き、中国政府と中国国民は四川省だけで救援活動をし、チベットを無視したと読者をミスリードしたいのでしょうか。仮にチベットで今回のような地震が起きたとしても、中国全土に暮らしている各民族の人々及び世界中に暮らしている華人たちは必ず今回と同じような救援活動をすると信じております。幸い、EXの読者はEXだけで情報を入手しているわけではないでしょう。結局、このようなあまりにも大胆な改竄からEXのレベルが高いか低いか読者がはっきり見えてきて、この新聞紙から離れたほうがいいかどうか賢明な判断ができるのではないかと思います。

また、もしEXがチベットに中国人以上に特別な感心を持つなら、中国政府の代わりに毎年チベットに莫大な財政援助を行ったらどうかと思います。海外に住んでいる「フリーチベット」と叫ぶ人ではなくて、チベットの大地に生きているチベット族の人たちに確実な経済援助をしたら、如何でしょうか。今、日本の街角で中国の震災のための募金活動が行われています。一在日中国人として、日本国民の暖かい気持ちに深く感謝しております。ちなみにチベットに格別な感心を持っているEXは、どのぐらいの義捐金を寄付するつもりでしょうか。

売れる新聞紙を作り出すには、知識、常識と良識が欠かせないと思います。売値の安さと無知な独創性だけで勝負できるものではありません。記者、編集者たちは、情報、主張を社会に発信する仕事を携わる以上、書くものとしての責任を常に念頭に入れなくてはなりません。客観的に中立的に発信できなくなったら、記者、編集としてのモラールが疑問視されるでしょう。
 
問題に気づいた人が気づかない人に問題点を教える責任又は義務があるという考えで、この手紙を書くことにしました。また、せっかく新しい形で誕生したEXが読者に愛読される新聞、売れる新聞になってほしいという期待から、この手紙を送らせていただきます。これからも一読者として、EXの記事をチェックしていきたいと思います。
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