「シングルマザー」、私はこの言葉は「未婚の母」をいうのだと思っていた。ところが最近の使い方を見ていると、離婚や死別によって女手ひとつで子供を育てていることを指すようだ。
言葉というものは変遷するもので、それはいっこうに構わないのだが、もっとゆるやかに徐々に変化するものだと思っていた。知らぬ間に突然一つの単語が指し示す意味が世間と自分の間でずれていることに気付いて、大変驚いた。
もうひとつは「飛翔体」。
新聞などの活字メディアでは「飛翔体」を使っているが、テレビのしゃべるメディアなどでは、ミサイル、ミサイル、と呼んでいるので、これが日本政府としての正式呼称なのだなと推察し、てっきり公式見解ではミサイルとも人工衛星とも言えないので苦し紛れに「飛翔体」という言葉をひねり出したのだと思っていた。
ところが調べてみると、「(誘導)飛翔体」というのは「ミサイル」の日本語なのである。航空軍事用語辞典を見ると、「ミサイル」とは「『飛翔体』すなわち『飛び道具』」である、と説明されている。むむむむ…。カタカナを漢字に置き換えただけなのか…。それでは、一般的にイメージしやすい「ミサイル」という呼称でいいんじゃないだろうか。なにゆえに「飛翔体」などと呼ぶのだろう?
素人の私などは、「飛翔体」と聞くと、未確認飛行物体(UFO)のようなものを連想してしまう。
(「飛翔体」と呼んでいたのは発射前後だけで、現在は新聞等の活字メディアでも「ミサイル」という呼称が普通で「飛翔体」を見かけなくなった。)