《てまり》

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てまり/美川憲一




窓を開けても 港は見えず
いくら待っても 男は来ない
空のグラスを目元で揺すり
調子はつでも歌など歌ってる
てまりという子は深情け
いいとこばかりを見て惚れる
転々てまりの手がそれて
今度も幸せ逃げてた



店も暇だし そろそろ閉めて
今夜は二人で飲み明かそうか
それでなくても雨降る夜は
不実な恋も命に見えてくる
てまりという子は不幸せ
一人で生きては行けなくて
転々てまりは温もりを
探して転げて何処へ行く

てまりという子は夜鳴き虫
明日を見るのが怖くって
転々てまりの酔い歌が
今夜も聞こえる夜のすみ






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