億万長者が14人もいる「日本一の会社」は山梨県のロボットメーカー

億万長者が14人もいる「日本一の会社」は山梨県のロボットメーカー

週刊朝日 7月20日(金)16時12分配信

 上場企業で年1億円以上の役員報酬を公開する、開示制度が3年目を迎えた。信用調査会社・東京商工リサーチと週刊朝日がそこから割り出した「役員報酬が上がった役員ランキング」と「役員報酬開示人数ランキング」を見てみると、世界的に不景気のなか、役員報酬額を上げたり、開示人数が増えたりした、たくましい企業が浮かび上がってきた。

 役員報酬額が最もアップしたのは、静岡県に本社があるメガネ小売り大手「メガネトップ」の創業者である冨澤昌三会長だ。退職慰労金が全体の4分の3、5億7200万円を占める。同社が退職慰労金を廃止したことに伴い、昨年度に「前払い」という形で退職慰労金を計上したからで、現役バリバリの第一線の経営者だ。実際には会長を退いた後で慰労金を受け取るという。同社は昨年度、メガネ小売業界の売上高トップに躍り出た。その立役者は冨澤氏だという。

 静岡の「街の眼鏡屋さん」からスタートし、2006年10月、屋号を「眼鏡市場」に変更した。このとき、高品質なレンズを入れても1万8900円などの価格で提供するビジネスモデルを作り、全国760店舗を展開するチェーンに成長させた。

「これまでは薄型レンズを使えば、どうしても価格が高くなってしまう。その問題を解消し、定額の安心価格を設定したことが顧客の支持を得ました」(同社広報担当)

 開示人数のトップは、ファナック。前回から8人も増え14人となり、開示以来の最高となった。最も億万長者の多い会社だ。「上がった役員ランキング」の3位にも社長の稲葉善治氏が入るなど、存在感は群を抜く。

 同社は山梨県忍野(おしの)村に本社を置く産業ロボットメーカーで、国内屈指の高収益を誇り、納める税金が地方財政を支えているほどだ。雇用面でも大きな役割を果たしている。忍野村は村財政に貢献を果たしたとして、創業者の稲葉清右衛門名誉会長に名誉村民の称号を贈っている。世界中が不景気に悩むなか、今期も過去最高益の見通しだ。

「とにかく、この会社にしか作れないものばかり。中国や韓国の会社がまねしようにも技術力がすごすぎる。圧倒的な競争優位に立っている」(証券アナリスト)

※週刊朝日 2012年7月27日号

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