年を経るということ

人間というのは年を経るにつれて、柔らかく寛容になっていくものだと思っていた。

ところが、どうもそうではないらしい。

年を経るごとに、頑固で依怙地になっていく自分に気づく。柔軟性を失っていくのに加え、冒険心や好奇心が衰えていく。

年を経ることの価値とは何だろう?

多くの経験から学んだ賢さ?

経験は人を賢くすると同時に臆病にする。危険を察知する能力と具体的に予測できる危険を回避しようとする賢さは、冒険を抑制する。

しかし一方で、それらの欠点を補って余りあるほど、人生において経験が増えるということの素晴らしさを実感する。
自分と言う器の中に、宝物がどんどん増えていく。

この世で見聞きしたものたちの姿が増えていくことの喜び。知らなかったこと、気づかなかった世界に触れるたびに、心の襞が豊かに複雑になっていく充実感。

目に見えない豊かさが膨らんでいく。

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