この歌は怖いと思う。
女が愛しているのは“あなた”なのだろうか?それとも“部屋”や“Yシャツ”なのだろうか?二者択一ではなくて、愛しているのはあなた自身と、あなたと私たちの部屋であり、あなたの着るYシャツであり、私たちの部屋とあなたの着るYシャツをせっせと磨く私自身なのだろうけれど。
部屋や洋服という空間や物質の中で、“あなた”と“私”の境界線が溶け、すべてが均一の価値となり、运命共同体として一体化する世界、死さえも分かち合おうという一つの世界を男に要求する女の強い願望、私自身の内にも潜んでいるであろう飲み込み支配しようとする女の力が、私を慄かせる。
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