珍しい夢を見た。
私は相撲部屋で雑用係をしている。部屋にいると、今日はカラオケ大会だったと、あわてて出かけることになった。私も浴衣を着て数人の力士とともに駅へと来ると、ホームは他の部屋からも集まってきた力士たちでいっぱいだった。やがて新幹線が滑り込んできたが、私たちの目の前には止まらず、ずっと先の方に停車した。私たちがあれあれ、と思って追いかけるうちに、いったん開いたドアは他の大勢の力士を乘せて再び閉まり、新幹線はゆるゆると走り始めた。朝青龍が追いついて、後ろの运転席の窓をどんどんとたたき窓越しに車掌に身分証明書のようなものを見せた。すると走り出していた列車は止まりドアが開いた。私はさすが朝青龍だと感心した。
一行は山の中の旅館に着いた。平屋建ての広く立派な和風旅館で、ここで数泊してカラオケ大会が行われるのだ。山の中の一軒家なので団体の宿泊にはぴったりなのだなと思う。修学旅行などにもよく使われるのだろう。部屋はすべて和室の大部屋で、女性は他の部屋に所属する女性との相部屋になる。見知らぬ人と同室になるのも気詰まりだと思って、ふらりと外に出ると、なんだかつまらなくなったので、宿泊せずにそのまま帰ることにした。
相撲部屋に戻ると、白いTシャツを着た力士たちが数人、台所や居間でくつろいでいた。どうやら彼らはカラオケ大会のことをすっかり忘れていたようだ。全部屋の相撲取りたちが集まるのだから行かなければまずいだろうと、彼らもあわてて支度を始める。監督者のいない部屋で男ばかりの力士たちが食べたり寝転んだりしてのんびりとしていたので、あちこち散らかっている。そこで私はまず台所のシンクにたまった食器類を洗い始めた。
特に相撲ファンというわけでもないのに、こんなに大勢の相撲取りが出てくる夢なんておそらく生まれて初めてだ。