地球征服計画

  今、朝日新聞の文化面に『消えた「男の子」~メディア社会の中で~』という記事が連載されている。 8 月 8 日に掲載されたシリーズ 2 回目の小見出しは『無理せず幸せ・薄れる努力』というものだった。
    記事によると、最近のテレビのヒーロー物や少年漫画では「努力」や「我慢」といった要素が歓迎されないらしい。仮面ライダーの最新作では、主人公は体力、知力、根性なしのなよなよした少年。戦うときも自力ではなく怪人に乘り移られるという他人任せ。また少年漫画でも連載で主人公が努力したり練習したりする場面が続くと人気が落ちてしまうという。
     ヒーローが敢然と立ち向かう対象となる悪役もまた然り。最近の悪役は世界征服や人類絶滅を言わない。現実の社会を見ても、これが悪いやつだと決めにくくなった。具体的に世界征服の手順を考えれば、人材確保に資金調達、部下の管理など激務であるのはすぐにわかる。「世界征服」もそれ程魅力的には見えない。
    「9.11」以降、正義とは何か、悪とは何かが複雑になり、描きにくくなっている。
    「ライダーは何のために戦うのか、怪人は何を目的に暴れるのか・・・」

    以上は記事の一部を要約したものだが、この「世界征服」という言葉と漫画から私はすぐに『ケロロ軍曹』というアニメを連想した。カエルの様な姿をしたケロン人の小部隊が地球制服のための先遣部隊として、ケロン星から地球にやってくる。ところがひょんなことから彼らは敵であるはずの地球人のある一家の世話になることを余儀なくされる。居候の身であるから肩身が狭い。普段は家の掃除させられたり、プラモを作ったり、たまに旅行に連れてってもらったりの日常生活の中で小さな騒動を起こしながらも、時々思い出したように世界征服の具体的計画を立て実行に移そうとするが、杜撰な計画やくだらない原因によりいつも失敗する。「地球征服」というとっくに有名無実となった目的(ケロン星本国においてそれが本当に望まれているのかどうか、いまひとつはっきりしないのだ)を一応は申し訳程度に掲げながらも、地球に居座りのん気に暮らすカエルたち。そんな失敗続きで間抜けでのん気なカエルたちがなんとも可愛らしく憎めない。悪だ正義だと命を賭けて血みどろの戦いを繰り広げるよりずっと平和的でいいんじゃないかと、私は思う。

        最近在朝日报纸的文化栏上有连载的记事:是消灭的‘男孩子'- 在媒体社会之中-" 。 8 月 8 号登载的第二回的副标题是“不努力得到幸福 ・ 不愿意努力”。
        据报;最近电视里的英雄剧或少年漫画上不受欢迎“努力”“忍耐”这种因素。 一片叫“假面 ライダー ”的电视剧最新版的主人公是个没体力、没智力、没耐性的软弱少年。 战斗时怪人附到他身上他才能变厉害,他不凭自己的力量而完全依靠怪人的能力去打败坏人。另外,少年漫画的连载中,如果主人公去努力或练功的场面连续的话还是不受少年读者的欢迎。
        英雄要决然奋起的对象 --- 恶役(反派角色)也是。 最近的“恶役( あくやく) ”不说   “征服世界”“绝灭人类”类似的话。 看现实的社会也很难判断谁是绝对的坏人。而且如果具体开始考虑怎么征服世界,需要确保人才、筹措资金、管理部下等有好多麻烦的业务。看来“征服世界”也没特别的魅力。
        “ 9.11 ”以后,正义是什么,恶是什么都变复杂而模糊了,描写得很难。
    “英雄为了什么去斗争?恶役有什么目的要捣乱?……”

         以上是记事的一部分内容的要约。 我从“征服世界”和“漫画”这两个词立刻联想了一片漫画卡通,叫“ ケロロ 军曹”。 一队像青蛙似的外星人的小部队为征服地球从宇宙来到了地球。他们由于意想不到的事情在有个地球人的家开始住。他们因为寄食的立场总对户主不能太主张自己的意见。平时听户主的命令打扫房间,其它的业余爱制作塑料模型,有时跟一家人在一起出去旅游等,每回发生小小的生活上的骚动,有时突然想起来原来的目的,做起来征服地球的计划然后要实行,但每次由于计划粗糙或莫名其妙的理由都失败。 “征服地球”这个目的也早就成了有名无实(他们的母星也真的要求还是无所谓都不太清楚)他们还在地球上生活并且安稳地过日子。每次失败的那些青蛙们真可爱而恨不得。我想跟把“恶”或“正义”提起来作为口号进行沾满鲜血的战斗比较起来他们的生活方式多和平多好。

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