管理職に一時金10万円=5000人に総額5億円―退職増加に歯止め・東電
東京電力は19日、増加する管理職の退職に歯止めをかけるため、月内に1人当たり10万円を一時金として支給する方針を固めた。福島第1原発事故の処理や賠償が進まない中での支給は批判を呼ぶ可能性もあるが、「(事故対応への)使命感の維持は非常に大事だ」(広瀬直己社長)として、国とも協議の上で決めた。
対象となる課長級以上の管理職は約5000人で、総額約5億円。東電の2012年度のコスト削減額は当初目標を約1400億円上回ったため、これを原資とする。東電は支給に先立ち社長名で対象者にメールを送信し、社員の努力に少しでも報いる方針を示した。
東電は原発事故や電気料金の値上げ過程で、管理職の年収を3割削減した。12年度の自主退職者約710人のうち、管理職やその候補者が4割を占めるなど、社の将来を担う幹部の退職や昇進の辞退が相次いでいる。また、一般職の削減幅は2割にとどまるため、一部では管理職に昇進すると年収が減る逆転現象も生じている。
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